商標とは、自己が取り扱う商品・サービスを他人の商品・サービスと区別するために使用するマーク(識別標識)です。
商標には、文字だけの商標や、文字と図形を組み合わせた商標等があります。
●商品の商標の例:
・トヨタは、車に「プリウス」という商標を付して販売。
・片岡物産は、ドリップコーヒーに「モンカフェ」という商標を付して販売
・不二家は、菓子に「ペコちゃん」という人形の商標を使用して販売
●サービスの商標の例:
・クロネコヤマトは、「宅急便」という商標を使用して宅配サービスを提供
・日本生命は、「年金名人」という商標を使用して保険サービスを提供
商品の購入やサービスを利用するときに手掛かりとする企業のマーク及び商品・サービスのネーミングが商標です。
事業者は営業努力により商品やサービスに対する消費者の信用を積み重ねるので、商標に「信頼がおける」「安心してかえる」「品質が良い」等のブランドイメージが付きます。従って、商標は、「もの言わぬセールスマン」と表現されることもあり、商品やサービスの顔として重要な役割を担っています。
商品やサービスに付ける「マーク」や「ネーミング」を財産として守るのが「商標権」です。
商標権を取得するためは、特許庁へ商標を出願して商標登録を受けることが必要です。
商標権を取得することで、その商標を自社の商品やサービスに独占的に使用でき、他人が似ている商品やサービスに似ているマークを使用することを禁止できます。
商標権を取得しないままで商標を使用している場合、先に他社が似ている商標の登録を受けると、その他社の商標権を侵害する可能性があります。その商標を他社の出願前から使用していたとしても、その商標が、自社の商品やサービスを表すものとして需要者に広く知られているといった事情がなければ、商標権の侵害にあたる可能性がありますので注意が必要です。
また、雑誌・定期刊行物等の題名については、先に使用していたことが認められたとしても、その後も定期的に新刊を発行する場合は、商標権の侵害に該当する可能性があります。
商品の品質・産地のみを表示する商標
例:商品「野菜」に商標「北海道」は、野菜の産地表示になるためNG
例:サービス「車両による輸送」に商標「中部」は、提供の場所表示になるためNG
例:商品「ジュース」に商標「トマト」は、ジュースの品質表示になるためNG
例:サービス「医業の提供」に商標「無痛」は、サービスの質の表示になるためNG
商品の普通名称・慣用されている名称のみからなる商標
例:商品「テニスの靴」に商標「テニスシューズ」は、普通名称であるためNG
例:サービス「靴の修理」に商標「リペア」は、普通名称であるためNG
例:商品「清酒」に商標「正宗」は、慣用されている名称であるためNG
例:サービス「飲食物の提供」に商標「レストラン」は、慣用されている名称で
あるためNG
ありふれた氏又は名称のみからなる商標
例:「佐藤」・「山田商会」
他人の登録商標と似ている商標
●似ている例
「スーパーライオン」と「ライオン」
「銀座小判」と「小判」
「アトミン」と「アタミン」
「山清」と「ヤマセ」
「友達」と「フレンド」
「王様」と「KING」
その他(以下の要件に該当する場合)
他人の著名な雅号・芸名等と類似している商標